衣装で5のお題

 


     ★衣装で5のお題★

   1.真新しい背広

   2.慣れない着物

   3.お気に入りの制服

   4.丈の合わない服

   5.少し恥ずかしい晴れ着

  全部込みの着せ替えゴッコ★1話完結です。

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「はい、時任、約束の罰ゲームしよ」

「へ・・?なんだこれ?」

久保ちゃんが差し出したのは使いきったティッシュの箱だった。

何をしようというのか分からずとも、罰ゲームという嫌な響きで、俺はゲッと眉をしかめた。

そういやこないだ、そんなの賭けてゲームして負けたんだっけ?

それにしても上機嫌に鼻歌を歌う久保ちゃん、もはや嫌な予感しかしねぇ・・。

「覚えてるよね?罰ゲーム♪」

くそー、楽しそうじゃねぇか。

「・・覚えてるよ、何すりゃいいんだ?」

「この箱にくじが入っているから、それを引いて、そこに書いてある衣装に着替えてくれればいいよ」

「はぁ〜?なんだそれ・・(めんどくせ・・)」

「まぁまぁ、着せかえゴッコだから。全部で5枚あるからね」

何事かと思えば、久保ちゃんが用意した衣装を俺が着るだけの着せかえゴッコらしい。・・罰ゲームなのか?

とはいえ何を着せられるのか、内心ドキドキしながら、ティッシュの箱に手を突っ込み、一番最初に触れた紙を取り出すと、そこに書いてある文字を見て、目を丸くした。

「・・”真新しい背広”・・?」

「はいはーい、真新しい背広ね。ちょうどお前に合いそうなスーツ買ってきてるから、はい、どうぞ」

久保ちゃんはそう言って俺を寝室に連れていくと、着替えを置いて出ていった。つまり、俺にスーツを買ってくれたってことか?つーか、それじゃあ、“真新しい背広”って書かなくとも、スーツって書けばいいんじゃ・・

まぁ、いっか、罰ゲームどころか俺ラッキーじゃん。着る機会なんてねぇかもだけど、やっぱうれしい。

久保ちゃんが買ってくれたスーツは、計ったように俺の体ににぴったりで、濃い紺色の背広は、少し大人になったように感じた。

「久保ちゃん!さんきゅーな」

「うんうん、いいじゃない時任。すごく似合うよ」

「なんか、わりぃーな」

「うん?いいよ、いつか使うだろうし。それじゃあ次いってみよーか」

「まだやんのか?あと4着も俺にくれんの?」

久保ちゃんはスーツ姿の観賞もそこそこに、張り切ってくじ箱を持ってくる。

実は新しいパーカーもほしいんだよなぁと欲をみつつ、次に引いたのは”慣れない着物”だった。

「着物?なんだよ、慣れないって。確かに着たことねーけど」

「はいはーい、男の子用の着物だよ。慣れない着物は一人じゃ着れないから俺が着せてあげようね♪」

「・・それが狙いか?」

久保ちゃんは楽しそうに俺の服を脱がすと、意外にもちょっかい出すことなく、着物を着せ始めた。っつーか、なんで着付け出来んだ?器用なやつ・・

確かに着物なんて初めてだったけど、鏡を見ると意外と似合ってるイケメンと目が合った。

「おお!俺様似合うじゃんか!」

「うんうん、時任似合うね」

着物なんて興味なかったけど、渋い紺色の着物とワントーン暗めの羽織は俺の黒髪にぴったりで、妙にサマになってた。

どうでもいいけど、着物って下着ねぇのか?昔の人は素肌に着物だったのか?

見た目はばっちり着物だけど、俺は今素っ裸に、ガウンのように帯で着物を巻きつけてるだけの格好で、そのせいか胸元がかなりゆるめに開いていた。

「久保ちゃん、これ胸元空きすぎじゃね?」

「そう?そんなもんだよ。はい、こっち向いてちーず♪」

久保ちゃんはご機嫌でカメラまで持ち出した。

なんだか調子に乗った俺はポーズを決めてやる。

久保ちゃんはかなり楽しそうに、俺の姿をバシバシ撮ってた。

「はいはい、お次〜」

まだポーズ決めてやってもいいってのに、久保ちゃんにせかされるまま次の一枚を引く。

「出た〜”お気に入りの制服”ね」

「お気に入りの制服?誰の?」

目を丸くすると久保ちゃんは意味深に笑う。

「お・れ・の」

その怪しげな笑顔に、後ずさりしたくなった。

「・・それって学校の制服じゃあねぇよな」

「じゃあこれも俺が着せてあげるね」

「ん?なんだその白いの、あっ・・ちょ、ちょっと待て!ぎゃーっ!ヘンタイ!!」

身の危険を感じながらも、無防備な着物は簡単に脱がされ、久保ちゃんはものすごい速さで新しい服を着せていった。

「完成!!」

「うわぁっ!なんだこりゃ!!」

あまりの素早さに驚いて目を開くと、鏡には女装をした男が映っていた。

「わかんない?白衣の天使さん」

「〜ってなんで女モノなんだよ!!」

久保ちゃんに着せられたのは、なんとナース服だった。もちろん女物。膝丈までの白いワンピース服に、白い帽子・・ご丁寧に白いストッキングまで履かされた。

意外と長めの裾が、よくある夜のお店の服とかじゃなくて、なんか本物の病院のっぽい・・。

どうやって手に入れたんだ?

「・・俺がこんなの着てるのが、楽しいのか?」

「楽しいねぇ、女の子みたいに可愛いよ」

ためしに鏡をまじまじと見てみるが、やはり男にしか見えない。

当たり前だ。俺は男だし、かなり髪だって短い。

悪趣味だ・・・。

なんかだんだん怪しくなってきたぞ。

まさかスーツや着物は俺を喜ばせるためのダミーだったのか!?

だとしたら罰ゲームはここから・・

「俺、もーいいや、うん。十分満足〜!」

逃げるが勝ちとばかりに現実逃避しようとする俺を久保ちゃんはガシリと羽交い締めにする。恐る恐る目の前の鏡を見ると、思わず叫びたくなるような悪魔の微笑みを浮かべた吸血鬼が、首筋にかぶりつかんばかりに唇を寄せていた。

「ときと〜、あと2着あるんだけど?これって罰ゲームだよね?まさか逃げたりしないよね??」

「ううぅ・・」

時すでに遅しだった。こんだけ念入りに準備した罰ゲームなんて聞いたことがない。こういうときに意外なほど我を通す久保ちゃんに、俺が逆らえるはずもなかった。

「はい、お次お次〜、なんて書いてある?」

「ううぁぁ」(もう見たくない)

俺の手からひったくった紙を見て久保ちゃんは、ああ、と笑った。

「”丈の合わない服”ね」

お?なにやら、次はふつうだな。丈の長いジーンズとか?逆に短いやつとか?

この流れから言って、そんな普通なわけがなかった。

「はい、下、脱いで。これ履いて、上はこれね。」

「・・?」

俺は不安に思いながらも、言うとおりそれに着た。

が・・

「なんだこりゃ!ちょっと待て、これは丈の合わないどころじゃねぇぞ!スースーする!!」

「はいはい、前も後ろも隠さない〜」

上は白いタンクトップだが、長さが胸の辺りまでしかない。まるで女がしてるブ、ブラジャーみたいな(※スポーツブラのこと)、つまり腹が丸出し・・。これじゃあ服の意味がない。

そしてそれよりも変なのが下に履いてる短パンだ。もはや短パンじゃない。

短めの下着を着ているにも関わらず、裾から下着がはみ出るほどに、短く切られた超短パンだった。しかもなぜかむき出しの足には白いソックスを履かされた。

俺は思わずお腹と後ろの裾に手をやって隠そうとしてしまう。

久保ちゃんは恥ずかしそうな俺がうれしいのか、にやにやと笑いながら俺にカメラを向けてくる。

・・・これじゃあ変態だぁ!!

「久保ちゃん!撮るなって!」

「どうして?すっごく似合ってるよ時任。お尻が見えそうで見えなくて・・恥ずかしいんだねぇ、イヤラシーかっこ」

こんのエロオヤジ!!

楽しんでやがる。やっとこの罰ゲームの狙いがわかってきたぞ。

こうなったらさっさと終わらせてやる〜!

俺はカメラから逃げながら最後の1枚を引いた。

「これでラストだぁ!・・なになに?”少し恥ずかしい晴れ着”・・?」

なんだ少し恥ずかしいって!久保ちゃんのことだから、少しつっても少しなわけがない!!

「ラストね、これも俺が着せてあげるよ」

「なんだよ、着物ならさっきも着たぞ!」

「これは晴れ着だから、ちょっと違うんだよ」

「へ、変なもんじゃないだろうな?」

「大丈夫、テレビで着付け講座あってたから、ちゃんと可愛く着せれるよ」

俺は怪しみながらも、ラストということでしぶしぶ久保ちゃんに身を任せた。

今回の着せかえは長い・・

15分後、立ったまま危うく眠りそうになってた頃、着付けが終わったようだ。

ようやく鏡を見た途端、俺の顔は、思わずひきつった。

「おい・・、これって、」

「時任とーっても似合うよ。晴れ着」

「・・晴れ着が女モノなのは何となく分かってたけどさ、なんかこれって、い、いやらしくねぇか?」

さっきの着物とは違ってかなり重い、紫色の生地にどピンクの派手な帯。胸元は鎖骨の下まで大きめにV字に空いており、腰に巻き付けられたリボンみたいなのが腹のあたりに結んである。さっきの着物よりもだいぶ長い裾があるが、それは足を隠すことなく、なぜか太ももあたりからおおきく足を見せるような格好だ。

なんか時代劇で見たぞ、こんな格好。確か吉原とかなんとかいうところの・・

「うーん、そうねぇ。花魁っぽくしたからかな?」

「おいらん?こんなの着るやついるのか?」

「さぁ?鵠さんに手配してもらったから、特注品かな?」

そんなのに金をかけるなーーっ!!

パシャパシャとフラッシュをたく久保ちゃんに顔をひきつらせながらなんとか撮影は終わり、俺はそうそうに着替えるため寝室へと走った。

ところが、俺の間に久保ちゃんが立ちはだかる。やはり満面の笑みで。

「着替えるんなら、脱がせてあげるよ?」

「い、いいよ、自分でやるから」

「えー、帯解いてやるのが夢だったのにぃ」

「えげつない夢だな。帯もなにも、この腹の紐をほどけば簡単にとれるんだろっ?」

「うん、でも下に襦袢っていう着物着てるから、それにも帯があるんだよねぇ。一人じゃ脱げないから、手伝ってあげるね」

「お、おまえ、それが目的かぁ!?」

「ん?着せかえゴッコって言ったでしょ?脱がせるのも俺のや・く・め」

「ああっ!やめっ・・」

久保ちゃんが帯に手をかけ、慣れた様子でするすると着物が脱げ落ちる。すると今度は下に着ていた帯らしきものをほどき、それを勢いよくひっぱりだした。

「わわわっ!!」

俺はなぜか引っ張られるまま、コマのようにくるくるとまわされる。

な、なんかますます時代劇とかで見たことあるぞ!

「時任、“あ〜れぇ〜”て言わなきゃ」

「ぎゃ−−−、やめろっ!!」

「男の夢だよねぇ」

久保ちゃんが帯を全部抜きとると、俺は素っ裸にはぎ取られたまま、うまい具合にベッドの上に転がされた。

「ちゃんと“少し恥ずかしい”って書いてあったっしょ?」

そう言うと、目が回って動けないのをいいことに、にんまりと笑う久保ちゃんが覆いかぶさってきた。

「花魁なんだから、ちゃんと最後までおままごとしようね」

ちくしょー、詐欺だあっ!!!




 あああ、すびばせん・・・苦悶中・・;

せっかくのお題を趣味に走ってしまいました(≧д≦)ノ

だ、だって、短パンに白ソックスって・・(汗)

 

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