開け放たれた窓からは冷たい空気が入りこみ、部屋にいながらも感じる真冬の寒さの中で、俺たちは抱き合っていた。
暖房を点けるのも忘れてソファに横になったまま、毛布にくるまり強く抱きしめ合う。
俺も久保ちゃんも、雪山で遭難してるわけでもないのに、必死に互いを温め合ってるようで、笑いがこぼれた。
こんなときだってのに、我ながらよく考え事なんてできる。
ちがう。必死に何か考えていないと、頭が真っ白になりそうで、怖かったんだ。
久保ちゃんが怖いわけじゃない、俺を動かしている俺が、怖かった。
抱きしめ触れ合う肌は衣服を介していない。直に肌にしっとりと久保ちゃんの感覚を伝えている。
あれから何度キスをしたんだろ。はじめは俺から。次は久保ちゃんから。そしてそれから数え切れないほど深くキスをした。久保ちゃんの低い体温とは違って熱い舌が口内に滑り込んできたときは、思わず体がビクリと震えた。
俺の戸惑う舌を絡めとって動き回る久保ちゃんの舌に、体の芯がドクリと痺れ、胸が高鳴った。
とにかく夢中だった。シャツの裾から入ってきた久保ちゃんの手に震えながらも、夢中でお互いの服を脱ぎ棄て、剥ぎとっていた。
久保ちゃんの体温や肌を直に感じたくて、無意識の行動だったのかもしれない。
長いこと深く交わっていた唇はヒリヒリと赤く濡れそぼち、わずかな外からの灯りに、二人を繋ぐ糸が光って見える。
「はぁ・・・」
苦しい程の深いキスに息が漏れる。
俺の体の一部が熱く反応し始め、今更ながら慌てて久保ちゃんの上から離れようとする。久保ちゃんはそれを許さないといったように俺の体をがっしりと捕まえていた。全裸の密着した体は否応なしにその昂ぶりを直に伝えている。
深いキスも胸の高鳴りも、それがどういった状況なのか分からないわけじゃない。もちろん男同士ですることではないということも知っているし、抱擁が、深いキスが性的な興奮を高めていることも分かっていた。だからこそそのまま溺れていくのが怖いと感じたんだ。
「・・・時任」
眼鏡を外した久保ちゃんのまなざしが至近距離で俺を捕らえる。その顔は真剣で、、けれど優しくて、
「・・好きだよ」
そう言って微笑んで・・。ドクリと跳ねた鼓動が、腰に衝撃を与えた。
恐怖も、何もかも分からなくなるほど・・。俺は夢中で本能に従った。
久保ちゃんを組み敷いたまま、首筋に顔を埋め、久保ちゃんの香りがする肌を強く吸った。
ぴくりと反応を見せた久保ちゃんは優しく俺の髪に指を滑らせている。
完全に反り返った自分自身に、久保ちゃんの硬い高ぶりを感じると、もう何も考えらなくなっていった。
俺はそのまま胸へ腹へと舌を夢中で這わせていた。
男同士のSEXなんてどうしていいか分からない。けれど自分の心も、体も、久保ちゃんを欲しがっていたんだ。
舐めていた舌が胸の突起にかすったとき、久保ちゃんがわずかに息をつめた。俺はそれを確かめるように突起を口に含み何度も舌でなぞる。
「・・・は・・っ・・」
初めて聞いた久保ちゃんの色っぽい声に、高揚した表情に、そこが気持ちいいのだと知った。
しばらくそこを弄ったあと、次はどうしていいものか分からずに動きを止めると、
久保ちゃんが立ち上がっていた俺自身をぎゅっと握った。
「くぼちゃっ・・!」
そしてやんわりと握りこむと上下にゆっくりと動かし始めた。先端からあふれる液が手伝ってかスムーズにしごかれる。
「ああっ・・」
あまりの快感に、目をつむり、胸に落としていたキスも止まる。
そんな俺に久保ちゃんがクスリと笑って言った。
「・・時任、俺のも・・触ってくれる?」
俺は右手を久保ちゃんの顔横に支えにしたまま、左手で久保ちゃんのものを手に取ると、同じように動かし始めた。
久保ちゃん自身ははち切れそうなほど膨らみ、硬い先からはぐちゅぐちゅと液があふれている。
俺たちは見つめ合ったまま、お互いを追い立てるようにしごいている。
一糸纏わぬ久保ちゃんの引き締まった体がほんのりと紅潮し、いつもの優しい瞳は恍惚に色めいていた。それでも瞳を合わせたまま、キスをねだるように口を開く。俺はそれにかぶり付くように舌を絡ませた。
あまりの状況に俺は限界だった。
「く・・久保ちゃん、俺・・・もうっ・・」
「・・ん・・じゃ一緒にイコっ・・」
久保ちゃんはそう言うけど、一緒にって・・どうしたらいいのか分からない。けれど、久保ちゃんが合図するかのように一段と動きを速くして、俺もそれに合わせて夢中に動かした。
「久保ちゃっ・・いくっ・・」
「時任っ・・」
そして同時に声を上げると、お互いの手の中で白いものがはじけ飛んだ。
身体にべっとりと付くのも構わず俺は久保ちゃんの上にぐったりと倒れこむ。
息が、荒い。
胸に響く久保ちゃんの心臓も、速い。
後に残ったのは快感の余韻と、だるさ・・そして愛しさだった。
肌に残る体温も汗ばむ体も、早鳴る鼓動も、優しく微笑む瞳も・・・すべてが愛しかった。
「・・ねぇ、時任」
「・・ん?」
しばらくそのまま重なっていると久保ちゃんが口を開く。
「続き・・してもいい?」
「・・・・」
咄嗟に応えられなかった。嫌とかそういう以前に続きって何かあるのか全く分からなかったからだ。それでなくても俺にとってもはすべてが初体験で・・。これ以上何があるのか、思わず後ずさりたい気持ちになる。
俺が黙っていると白い液に濡れたままの久保ちゃんの長い指が俺の後ろへと伸ばされる。
そして後の入口を緩やかにこすり始めた。
「っ!?ちょっ・・・久保ちゃん!」
「・・・ここで、受け止めるんだよ?」
「っ!!」
思わず息をのんで目を開く。すると濡れた液の滑りで難なくヌプリと指が入ってきた。
突然の異物感に苦しげに顔をしかめてしまう。初めてのそれはどうしても気持ちのいいものじゃない。
久保ちゃんは入れた指をスルリと抜いて、今度は俺の左手を掴むと、その手を下へと持って行った。
「久保ちゃん・・・?」
俺はほっとしながらも、何をするのかと首を傾げていると、久保ちゃんに導かれた自分の指が温かいものに飲まれていく感覚に目を張った。
何をしているのかはっきりと分かる。俺の人差し指が・・、久保ちゃんの後ろに入っていったのだ。
「くっ・・久保ちゃんっ!」
「んっ・・・時任・・中、動かして・・」
あまりの衝撃に顔が火照る。指を締め付けるキツさと熱さ・・。久保ちゃんの顔がさっきよりも紅潮している。
「時任の・・・そこに入れて」
「っ!!」
久保ちゃんがそう言ってとろけるように微笑んだ。鼓動が大きく跳ねる。久保ちゃんは俺が困惑してたから、無理だと思って自分に入れろと言ってくれてるのか・・?そんな疑問がよぎりながらも、久保ちゃんが嫌がっていないのはよく分かった。入れた人差し指を少し動かすと、吐息とともに久保ちゃんの前が反り返り、その表情も気持ちよさそうに歪んでいる。
夢中で指を動かし、3本を埋めた。久保ちゃんの色っぽい表情にもう俺も止まらなくなって、俺自身も十分な硬さを取り戻して涙を流していた。・・・もう限界だった。
俺は指を一気に引き抜くと、久保ちゃんの足を割り、そこにあてがった。
「・・・っ・・あ・・」
「く・・きっつ・・・」
久保ちゃんの中が熱い。ぎゅっと俺を締め付ける。気持ちよくてたまらない。そのまま自分の快感を追うように一気に奥まで入れ込んだ。
「―っ!!」
息をつくのも忘れるほどの快感が全身を駆け巡り、たまらず素早い抜き差しを開始した。
ぎりぎりまで抜いて腰を打ちつけるほど深く突き刺し、がつがつとそれを繰り返す。
気持ちよすぎて訳が分からなくなった。ふと久保ちゃんはどうなのだろうと瞳を覗き込む。
その表情は見たこともないものだった。快感に溺れていることが分かる。瞳が欲情に濡れ
その色気にぞくぞくと体が震えた。一気に追い詰められ、俺はすぐに限界を感じる。
久保ちゃんの大きな猛りが二人の腹にすられ吐精すると、がくがくと久保ちゃんの腰が震え
中がぎゅぎゅと締まって・・、その恍惚な表情に俺もたまらず中にぶちまけた。
びゅくびゅくと吐き出し、まるで全身が神経のように震え、久保ちゃんを感じていた。
しばらく息を整えて久保ちゃんを覗き込むと、久保ちゃんが優しく微笑んだ。
「・・大丈夫か、久保ちゃん・・」
「うん」
その微笑みに、どこかこそばゆい程の幸せが広がって・・。同時に今更ながら恥ずかしさがこみあげてきた。
そんな俺を見透かしたような久保ちゃんの目が怪しく光り「次は抱かせてね?」なんて言うもんだから顔が急速に火照るのを感じる。
やっぱ途中でやめたのは、俺に遠慮してたのか・・それとも教えるため・・?
俺はそんなことを考えながら、「ま、いっか」と熱い頬のまま久保ちゃんにキスをした。


 


初体験なのに時任が攻めだなんて(汗)意外とそういうのが好きだったりします(滝汗)

でも・・時任の語り口ではないですねvv(≧д≦)・・あしからずです

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