核心の想い(後編)
それから五十嵐先生、担任の先生、警察、救急車の順で連絡を入れ太田は運ばれていった
「それにしても久保田君、いくらなんでもやりすぎだったわよ」
ふぅと五十嵐は頭を抱えるように言った
「まぁ、太田が死ななくてよかったわ・・」
五十嵐先生によると、鼻と肋骨3本骨折しており全治2ヶ月の重症とのことだった
まさしく”半殺し”状態だった
そして久保田に目配せをしながら
「警察への説明2発だけ殴ったってことにしてるんだから余計なこと言わないでね」と付け加えた
「それはどーも・・ご迷惑カケマス」
五十嵐は心配したように俺たちを気遣ってくれてたようで、俺の様子を見るなり
「まぁ、今回はしょうがないか・・」とため息をついて笑っていた
俺とくぼちゃんは警察に少し事情を聞かれはしたが、事がコトだっただけに正当防衛ということで特に罪には問われず、すぐに解放された
とはいえ・・
パトカーやら救急車らが次々に到着して、まだ残っていた生徒や先生達は一時騒然だった
執行部に戻ると桂木達が血相を変えて待っていた
「久保田君、時任っ!あんたたち一体何があったのよ!?
心配したわよっ大丈夫なの??」
「んだよ、桂木。んな焦んなって、大丈夫に決まってんだろ?なぁ久保ちゃん」
「・・だってあんた制服っ・・」
「まぁまぁ桂木ちゃん、説明するからさ」
桂木の心配も最もだろう、時任は制服のズボンは無事だが
上は久保田に借りた制服を羽織っているだけだ。しかもかなりの血がついていた
「先日生徒会本部に呼ばれたじゃない?あの二人からさ、犯人を捕まえるように依頼されたんだよね」
久保田の説明は、つまりこういうことだった
最近、荒磯高等学校の男子生徒と見られる写真や動画が流出しており、しかも裏で売買されているとの情報だった
生徒会が独自に調べてみるとカメラの位置や、写真の背景などから校内の者が盗撮してるとしか思えないものだったという
犯人は数名にまで絞れたものの証拠もなく、やむを得ず現行犯で捕まえるしかなかった
また校内での事件ということもあり、犯人を特定するまでは、と警察にも届けてはいなかったという
被害者が全て男子生徒であり、3年生とサッカー部の部員であったこと
久保田はリストから3年生の授業の担当を任され、更にサッカー部の副顧問となっていた体育の教育実習生、太田に目をつけたのである
しかし証拠も確証も無く、相手は仮にも教師。下手な動きがばれない様に内密に調べる必要があった
生徒会本部や執行部の動きは特に注意深く監視されてる恐れがあるため、久保田は生徒会とも執行部とも行動をずらし、その間に太田の周辺を探っていたのである。それらは全て本部の指示の下であった
しかしそれが裏目に出て一人で巡回していた時任は拉致された
時任の写真も出回っていたことは本部から聞いていたため、久保田は時任の傍にいたかったのだが・・
せめて自分がいないときは、時任を一人にしないように、室田をコンビに組ませるよう桂木にお願いしていたのだ。が、しかし運悪く時任は一人になった
久保田にとっても、注意してたつもりだが、今日時任が襲われたのは予想に反したことだったのだ
「みなさん、失礼します」
話も架橋に入ったところで松本と橘が執行部室の戸を叩いた。
桂木は素早く立ち上がると、ずかずかと入口の二人に近寄り声を荒げる。
「松本会長、橘副会長!!これはどういうことなのよっ!?なんで時任がこんな目にっ・」
「まぁまぁ桂木ちゃん」
久保田がなだめたが、桂木はそれよりも久保田の松本達への視線がいつもより冷たいことを感じとり押し黙る
すると松本が真剣な面持ちで深く頭を下げた
「時任君、久保田、すまなかった。自分は時任君が狙われる可能性があることを知っていたのに・・」
らしくない真剣な謝罪に執行部の面々が息を飲む中、久保田は動じた様子もなく、煙草の煙をゆっくりと吐き出した
「松本−、俺に依頼したのはつまりそーゆー狙いだったってこと?結果的に時任はおとりになったワケだし?」
「・・誠人、俺は断じてそんなつもりは・・」
久保田の言葉に松本は辛そうに眉をよせ言葉をつまらせると
「いえ、会長は悪くありません。全て私の責任です。依頼したのも私。そういうつもりはなくとも、時任君を酷い目に合わせてしまいました。時任君、久保田君、申し訳ありません。」
今度は橘がすまなそうに頭を下げていた
その様子を久保田の冷やかな瞳が静かに見つめる
部室は大人数ながらも空気が少し下がったように感じ、相浦が身をすくめる
そんな緊迫した空気を破ったのは、黙って聞いていた時任だった
「もういーよ、俺はなんともねぇし、あんま知らねぇけどお前らも大変だったんだろ?それに太田のヤローは久保ちゃんがボコボコにしちまったし」と久保田を見て苦笑いした
「時任君・・」
「いや、本当にすまない、二人とも。責任は会長である自分にある。」
「だーかーらっ、責任なんてどうでもいいんだよっ。・・まぁ、一つ言うならっ、今度こんな依頼がある時は久保ちゃんだけじゃなくて俺も呼べっ」
「なぁくぼちゃん」と時任が明るく言うと、久保田は小さく息を吐いて、口を開いた
「・・まぁ、そーゆーことなんで、今回は最後まで内密にってコトで」
久保田がいつもの調子でそう言うと、部員達はようやく穏やかな空気が流れたのを感じホッと息をつくのだった
松本はいつもの会長らしい顔向けると執行部員に本部での捜査結果報告を伝えた
ネットは既に削除済みであり、太田がこれまで盗った写真画像、ネガも含め全てを回収処分済みとのことだった
時任が襲われてから数時間の間に後始末を済ませているあたり、松本たちも太田が一番怪しいとマークしていたのだろう
実際、その時は知るよしもないが、後から警察に聞いた話、太田は荒磯に来る前から大学やスポーツジムなどで盗撮を繰り返し、裏で高値で取引をしていた
また気に入った相手を手篭めにしネガやビデオに撮って、恐喝し金をむしりとっていた事も明らかになったらしい
太田のマンションからは歪んだ性癖を納めたテープ等が大量に押収され、余罪を追及されているとのことだった
既に真っ暗になった空に煙草の煙をふぅとくゆらし
「これで、無事一件落着・・と」
帰り道、久保ちゃんが煙草をくわえたまま、呟くように言った
久保ちゃんは俺が一人になったことに気づくとすぐに太田を探したみたいだ
「案の定時任が狙われてたってワケ」
「はぁ、つーかなんで俺なんだよ・・」
久保ちゃんに理由を聞きつつ俺は深くため息をついた
「まぁ、も一つ理由を言うと、サッカーの授業の時にさぁ、妙な目で太田が時任を見てたからさ・・」
「はぁ!?まじかよっ、全然気づかなかった・・やっぱ気色わり・・」
時任はサッカーに夢中だったから気づかないってことも分かってたんだけどねと付け足した
「・・あの時言ってあげればよかったかな、時任、ごめんね」
そういや巡回も久保ちゃんいなけりゃ室田と組むよう言われてたし、俺が一人になるとは思わなかったんだろう
「くぼちゃん」
急に久保ちゃんがしゅんと暗いカオをして謝るもんだから俺は胸がズキッと痛くなって
「あやまんなよ、・・なさけねぇけど、俺一人じゃどうしようもなかったんだ。ホント、助かった・・ありがとな」
「時任・・」
久保ちゃんは校舎中を探し回って、ドアのすりガラスに内側から黒い布を張ってあった体育準備室を見つけたらしい
「体育準備室は人気が少ないし、何よりドア以外窓もなければ出入り口もないからね、あやしいなぁとね」
「なるほどなっ、さすがくぼちゃん」
俺がニカッと笑うと久保ちゃんはあの優しい笑顔で微笑むから今度はなんだかドキッとしてカオが赤くなった
「あ、あーっしかしあれだなっ、松本会長たちなんかすげぇ謝ってたな?」
「・・うん、まぁ結果的に迷惑かけられたわけだし、生徒会が先に動いてればもっと早く太田を捕まえれただろうしね」
「そういや、なんで久保ちゃんだけに頼んだんだ?」
「んー、太田も言ってたんでしょ?時任の着替えの写真がネットに載ってたってのもあって、危険だから俺にってね
だから俺も依頼を受けたんだけどね、それから、会長たちが自ら動けなかったのはどうやら橘も被害にあってたからみたいよ」
「げ、そうなのか!?」
「うん、橘は男に人気あるからなぁ、着替えだけじゃなくて、トイレでの隠し撮りとか・・」
「はぁ!?サイアクだな・・そんなの見たいやつがいるのか・・・」
「まあ、金を出せば流さないって脅迫されてたらしい、匿名でね。にしても太田のことだから脅しといて、ネットにも流しかねないだろうけど」
「ふーん、あの橘が脅されて大人しくしてるとはね、狙われて手が出せなかったってことか」
「そーね、今回はやり方が汚すぎるからね、松本会長が橘の身を案じて自分がなんとかするって言ったらしいんだけど、生徒会長自らが動こうもんなら内密にもいかないだろうし、現に犯人は教師だったわけだし、、
橘が今度はそれを心配して・・俺にまわってきたってワケ」
「ふーん、なるほどな、、」
ここ2,3日調べてたコトが運良く?俺にとっては運悪く、今日動いたってわけかよ
それにしても・・
「俺だけ知らなかったってのはやっぱ納得できねぇ」
ちょっとふくれっつらになって呟くと
「・・ごめんね、内密に動きたかったし、時任のこと・・心配だったから。でも、こんなことになるなら、やっぱし言っとけばよかった、一人にするんじゃなかったって後悔してる」
って申し訳なさそうに、たれ目の目じりを更に下げた
「っもういいからあやまんなって!・・今度はちゃんと言えよな!」
「うん、ごめんね」
「だーぁからあやまんな〜!!」
それからお互いカオ見合わせて自然と笑い合った
・・いつもの久保ちゃんだ
良かった
今日の久保ちゃん・・あいつを殴りつけてる久保ちゃん、今まで見たこと無いような冷たくて、無表情で・・
正直、なんかすげぇ怖いと思った
なんだか久保ちゃんが知らねぇ人みたいで、ほっといたら間違いなくアイツ殺してたと思う
俺の為に、俺のせいであんな風になっちまう久保ちゃん、俺はもう見たくない
今日、時任が拉致られ襲われている現場を間の当たりにした
間一髪探し出して助けることができたけれど
あの部屋で時任を見た瞬間、息が止まるかと思った
苦しそうなカオで肌を露にし、白い肌には赤い痕が点々と付けられていた
ズボンも脱がされかけ、あられもない姿
俺は犯人に殺意が芽生えたのを感じた
それからは・・覚えていないどころか、酷く冷静に自分の行動を見ている俺がいた
・・・本気で殺すつもりだった
時任の制止の声も煩わしいほどー・・
なんとか俺の耳に時任の声が届いた時、俺はあるイミ救われたんだろう
俺がいつも隣にいるっていうのに、たった数時間離れてる間、時任は犯人にさらわれた
俺はもう、お前の側を離れられない・・
こんな怖い思いは二度とごめんだから
お前に何かあったら・・俺は、・・・どうなるか、分からない
俺は今日それを身をもって、自覚した
事件は解決したし、明日からはいつもの執行部へと向かうだろう
けれど俺は、俺の心は、とても、酷くざわついていた
―その夜時任は疲れていたのだろう、早々と寝室へ向かった
俺は時任の側を離れたくなくて静かに寝息を立てる時任の横に腰を下ろすと、髪をそっと撫でた
無事でよかった・・・
・・・けれど、
あの時犯人への殺意の他に浮き上がった感情がある
気づいてしまった感情・・・
突然、時任が突然苦しそうに眉をしかめた
「・・う、やめろっ」
「時任?」
・・よほど怖かったんだろう。夢でうなされるほど、嫌な思いをさせてしまった。
カーテンの隙間からこぼれる月の光にあてられて、目じりに涙が一粒光って見える俺はそれを親指でぬぐうようにそっと頬に当てると
ぬくもりを感じ取ったのか、時任がふっと穏やかな顔をした
瞬間ドクンと胸が跳ねた
・・時任、俺は、はっきりと気づいたんだよ、自覚・・・させられたみたい
俺が出来なかったことを、・・他の男にされたという衝撃。
許せなかった。
俺が触れたくともできなかった、時任への聖域
相棒だから、一番近くにいる存在だから、俺はお前が大事で・・
時任の隣は俺のモノだという安心感があった
けれど自覚してみれば、それだけじゃ足りず、時任を恋愛にも似たそれで見ていたんだと思う
・・いや、とっくに気づいていたのかもしれない
今まで見てはいけないと目を逸らしていた事実
その、核心の想いを無理やり引きずり出されただけなんだ
たとえこの想いが、これまでの二人の関係を壊すことになろうと
時任を失う不安に比べると・・・
それは・・俺の枷を外すのに十分なコトだった
俺は時任から目を離せず、頬に手を当てたままーゆっくりと顔に近づき・・・唇にキスを落とした
触れるだけのキス
けれど時任にとって初めてのそれは、夢から引き戻すのに十分なものだった
「・・ん・?・・くぼちゃ・・ん?」
「・・時任」
「な・・に?くぼちゃん・・」
俺・・寝ぼけてた?今・・くぼちゃんが・・・?
唇に温もりを感じて目を開けると、くぼちゃんが俺の上に覆いかぶさるようにして顔を覗き込んでいた
久保ちゃんの瞳は穏やかだけれど、いつもと少し違った感じがして
俺はよく分からないけど、胸のずっと奥の方が、恐怖にも似た感覚にとらわれた
「時任・・今日あいつにキスされたの?」
くぼちゃんが真剣に俺を見つめている
俺ははっきりと目が覚めてきて同時に鼓動が激しく高鳴ったのを感じた
「さ、されてねぇよ・・」
「そ・・良かった・・じゃあ俺が初めてだね」
「・・え?なにくぼち」
「ごめんね、時任」
久保田は時任の言葉をそう遮ると同時に時任の両手首を掴み
・・激しいキスをした
「!!」
慣れないことに驚き軽く開いた唇に、熱い舌を割りいれ中に侵入していく
時任の舌を捕らえると激しく自分の舌を絡め強く吸い上げた
「んっ!ぅっっ!」
時任は突然の激しい衝動に成す術もなく、口内を犯されていく
時任の声にならない息が漏れるが
久保田は行為をやめることなく貪るようにキスを繰り返した
息苦しく、飲みきれない液が口の端からこぼれ・・頭が真っ白になった
時任は信じられない気持ちでいっぱいだった
今日起こった事件があったとはいえ、さっきまではいつもどおりの二人で・・・
「んん、、はぁっ・・」
時任は真っ白な頭でロクな抵抗もできず、ただただ久保田の舌を受け入れていた
久保田はゆっくりと唇を放すと、二人の間に銀糸の液が伸びた
「はぁっ・・つ、く、くぼちゃ・・!!」
やっとのことで久保田の目を見た時任は、驚愕した
その目はいつもよりも鋭く、瞳の奥は獰猛な色をしていた
キスは初めての時任だったが、その色が自分を激しく求めていることが明らかだった
「時任・・」
息苦しかったせいか、頭はクラクラし赤い顔をした時任の表情
官能的で、さらに煽られた久保田は自分を止めることが出来なかった
時任の首筋に見える忌々しい赤い痕を見つけると、時任の手を拘束したまま被りつく様に強く吸い付き、上から新しい痕をつけていった
「あっ!!くっくぼちゃんっ、やめっ・・」
久保田は何も言わず時任のシャツをはだけさせると、太田につけられた痕を消すかのように、強くキスを落としていった
時任は次第に、今上にいる久保田が久保田ではない気がして、今日暗闇で襲われた、恐怖心が戻ってきていた
拘束され自由の利かない腕、上から組み敷かれ首筋に激しく口付けられる
「やめ・・やめろっ!お願いだからっ・・」
もう恐怖しかない時任の体は小刻みに震え出し、目から大粒の涙がこぼれた
そんな時任の様子に気づいた久保田は行為を止めた
「・・時任・・・・、泣かないで・・」
やっといつもの穏やかな瞳に戻って自分を心配している久保田を見て、時任は少し安心して、余計に涙がこぼれた
「・・ごめんね、怖がらせるつもりじゃなかった」
久保田はそう言うと時任をぎゅっと抱きしめる
「・・くぼちゃん、なんで・・?」
なんでこんなこと?
「ごめんね、時任」
「あっ謝ってばっかじゃっ・・わかんね・・だろ?」
涙を溜め潤んだ目で、ちょっと睨んだように言うと、久保田は、すまなそうに言った
「・・ずっとこうしたいと思ってた。ホントは・・たぶんずっと前から」
「だから・・時任。お前に触れる奴がいるなんて・・お前の肌に他の男の痕がついてるなんて、、俺は許せない」
「なっなんで・・!」
ただただ驚くばかりの時任に久保田は真剣な眼差しを向ける
「俺は・・お前が、時任が、好きなんだよ?」
「くぼちゃん・・・」
「お前と・・キスしたいと思うし、こういうこと・・したいと思うし・・
今まで気づかないフリしてたけど、、やっぱしそうなんだ」
穏やかだけれど、きっぱりとした口調で少し照れたように微笑んだ
あまり感情を表に出すことの無い久保田の笑顔に時任は胸がドクンと熱くなった
突然の久保田の行為に戸惑ってはいたが、嫌悪感などは全くなかった
それどころか・・激しく胸がドキドキと鳴って、顔が火照って熱かった
な、なんだこれ?胸が・・ドキドキが止まんね・・
くぼちゃんは真剣に言ってくれてんだ、俺もこのカンジ伝えないと・・
「お・・俺、何て言っていいか、よくわかんねぇけど・・」
「・・うん」
「俺も久保ちゃんが・・好きなんだと思う」
今度は久保田が驚く番だった
少し目を大きくして時任を見つめた
素直な時任らしく、戸惑いながらも今自分が感じる気持ちを、素直に言葉にしたのだ
久保田は予想もしなかった時任の言葉に、嬉しそうに微笑んだ
「・・久保ちゃんのそういうカオ初めて見た気ぃする」
時任は真っ赤になりながらも、普段感情が見えない久保田の素直な微笑みに一段と大きく胸が高鳴ったのを感じた
そっか・・・俺は、久保ちゃんが・・好きなんだ
「・・久保ちゃん」
「うん?」
「そんなに嫌なら・・今日つけられた痕・・全部消してくれ」
真っ赤な顔のままで、せいいっぱい時任は久保田の望みを叶えたいと思った
「・・うん」
久保田はそんな時任の気持ちが嬉しく心が温かくていっぱいになった
「全部・・俺の痕に変えちゃうよ」
「ん」
「・・でもいいの?時任」
「え?」
「俺、それだけじゃ止まらなくなるかもよ?」
「なっ・・う・・ん、そ、そんときゃ、そん時だ」
「うん・・」
そして今度はゆっくりと深く舌を絡ませ合う
久保田は心も体も時任で満たされていくのを感じていた
蕩ける・・溶ける・・こんなキスは初めてだろう
お前だから傍にいたい
お前だから触れたい、キスしたい、一緒に気持ちよく溶け合いたい
生まれて初めて想う感情に、くすぐったい温かさを胸に感じつつ
目の前にいる唯一大切な存在を慈しむように
久保田は時任を強く、抱きしめた
『核心の想い』完結です。
設定に無理がありましたが、ご了承ください。
実は続きに裏があります(汗)
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