『――キミはボクの太陽だ。』
テレビから聞こえた言葉は、一昔聞いたような古い口説き文句だった。
めくっていた雑誌から、ふとテレビに目を向けると、時任がめずらしく熱心に古いドラマの再放送を見ているところで。
「太陽か、まさしく俺様のことだな」
と時任がぽつり、得意満面に言った。
独り言・・じゃないよね?俺相手に言ってるならまだいいけど、独り言ならちょっとイタイ人?と思いながら。
「そうねー」
と返すと時任は振り返ってニッと笑った。
なるほど太陽か、とそのカオをまじまじと見返す。
この世の生命を育む唯一の存在。
比喩的に言えば、自分をずっと照らしてくれる存在ってところだろう。
確かにそう思えば、まさしく俺にとって時任はそれかなぁなんて、桂木ちゃんが聞けば呆れ顔を浮かべるだろうことを、本気で思ったりする。
すると時任は調子に乗った様子で、さらに得意そうな顔をした。
「まぁ、俺様はみんなの太陽だからな」
あ、なんか納得いかないかも。
「違うっしょ。」
賛成できないとばかりに雑誌を放り出して、時任の後ろから抱き込んで囁くと、「なんでだよ!」と腕の中でジタバタ。
「違わねぇし。俺は宇宙のアイドルなんだから、世界中の人間を照らしてやってんだよ!」
「それも納得いかない」
「んっ・・!」
何が納得いかないのか自分でも説明できないからとりあえず、強引に唇を塞いだ。舌を滑り込ませて、熱い時任の舌を絡めとる。
小さな声を漏らしながら、たどたどしく応えてきた舌に気を良くしてさらに強く吸って。何度も絡めあった。
ちゅっと小さな音を立てて放すと、激しいキスの糸がのびる。
間近でのぞき込む瞳は潤んでいて、頬は赤く染まっていて。何度もカラダを合わせてるのに、キス一つでこんな顔しちゃうなんて、俺を煽っているとしか思えないなぁと笑みを浮かべながら瞳を合わせた。
「ねぇ、俺だけの太陽でいてよ。」
「・・おまえ、それ言ってて恥ずかしくねぇのか・・」
「べつに?本気だし」
「あ、そ。」
観念したように身を任せてきた時任を愛しく思いながら、ソファに押し倒し、口づけた。
俺にとって唯一の存在。
おまえの光が、俺が今ここにいるすべての理由。
熱い火照った素肌が俺の低い体温にちょうどよくて、ぴったりと隙間なく抱きしめた。
もっと近くに行きたくて、時任のカラダの奥へと欲望を突き入れて。
それでもまだ足りなくて、もっともっと近くで感じたくて・・。
このままもっと隙間なく、くっついて一緒になれたらいいのにと、強く思った。
熱い熱いそのカラダで、俺のすべてを溶かして。
すべて溶けて混ざりあって、一つになれたらいいのに。