「んっ・・・・」
鼻から抜けるような吐息が漏れた。無意識に発せられた自分の声に、時任は目を開く。
何が起きたんだろう―?真っ暗な中、下半身にうずくまるような大きな影をとらえ目を張った。
「っつ・・・ああっ!?」
時任は意識が戻るとすぐに、快感のあまり大きな声をあげた。
暗くてよく見えないが、刺激に立ちあがった自分自身に直にしっとりと温かな舌が絡みついていたのだ。
「・・くっ、久保ちゃんっ!?」
黒い大きな影は時任の叫びにちらりと目をやり、微笑むように目を細めるとソコを強く吸い上げた。
「んっああっ!」
上半身を起こそうとした時任だが、強い快感に反り返りベッドに戻される。
久保田はそのまま喉の奥にまで咥えこみ緩急をつけて上下に動かし始めると、
鼻にかかる声が抑えることなく時任の喉を震わせた。
眼鏡を外した久保田の瞳は、喘ぐ時任の姿をじっと見つめている。紅潮した頬も、はだけられた胸元も、驚き目を開きながらも、
明らかに艶を含んだその表情も、視姦するかのようにじっと見つめ続けていた。
「く、久保ちゃ・・」
時任はわけが分からなかった。深夜、身体に感じる違和感に目を覚ますと、久保田に下半身を咥えられ、弄られていたのだ。
驚愕し目を張りながらも、強すぎる刺激にソコは立ち上がり先端から涙を流し感じていた。
久保田は時任の驚きに何も答えなかった。眠っていた時任のボタンをはずし、胸に、腹に舌を這わせ、下着ごと脱がせ、それを口に含み強く吸い上げながら快感を与えていた。
久保田にとっても初めてのことだった。昨日までは、キス止まりの淡い関係だったというのに、今まさに一線を越えようと行動を起こしている。
しかも時任の寝込みを襲うという、合意とは全く逆の暴挙行為だったのだ。
久保田は時任が目覚めても慌てた様子もなく更に追い立てようと舌と指で愛撫を続けた。一言も発さずただ時任と肌を合わせる。
時任の頭の中は疑問と不安で混乱していた。まさか久保田がこんな強引な真似をするとは夢にも思わなかったのだ。
しかし心とは裏腹に身体の熱はどんどん高まっていった。このままでいいはずがないと思いながらもそこは十分すぎるほどに立ち上がり、久保田の唾液と先走りの液でぬるぬると濡れ、後の割れ目まで流れ光っている。
久保田の指は下の丸みをぬるぬると弄りながら、エラの窪みに舌を這わせ強く吸うと時任の体がビクリと大きく揺れた。
「だっ・・だめだっ・・!もっ・・」
限界を迎えた時任の上半身が思わず浮き、止めようと久保田の肩を掴む。しかしそれも空しく
「あああっっ!!」
大きく声を上げると久保田の口の中に熱い液を大量に吐き出した。
真っ白な頭で何とか息を整えると目の前の久保田が口に受け止めた自分の精液をゴクリと飲んでいる姿を目の当たりにする。
「はぁっ・・く、くぼちゃんっ・・!」
指についた時任の精液までも舐めとると、薄く微笑んだ久保田がようやく口を開いた。
「・・ごめんね、時任」
「ご、ごめんじゃないだろ!なんでこんなっ・・」
時任は何よりも驚いていた。こうなるまで久保田は自分の裸さえ見たこともなかったのだ。
「ごめん。―でももう、我慢できなかった」
「っ・・」
時任は男同志の愛し合い方をよく知らない。けれど想いの通じた二人であればいずれ体も結ばれる日がくるのだろうと思っていた。
しかし久保田にはそれをゆたりと待つ余裕がなかった。これまでも同じベッドに眠り、理性を抑えていたというのに、両想いになってからはキスをしたり抱き合ったりして眠っていた。ただ寝るだけで、それだけの関係である。久保田に言わせれば愛し焦がれた人と中途半端に触れ合いながらも、先に進むことのできない、まさしく蛇の生殺し状態だったのだ。
行動を起こしてしまったら、―嫌われるかもしれない。そう考えたこともあった。しかし同時に心の中で、自分に溺れさせたいという強い欲求が生まれていた。
キスだけで恥じらう時任を快楽におぼれさせ、自分だけのものにする。そう考えただけで久保田はぞくぞくと興奮を覚えた。
元々久保田の時任に対する執着心に関しては、狂気の沙汰である。二人の関係が友人から恋人に一歩進んだ時点で久保田にはその衝動を抑えきれる自信がなかったのだ。そして、今日ついに事を起こした。
寝乱れる愛しい人の腹や鎖骨に、思わず手を伸ばしていたのだ。
眠っているというのに、中心を口に含むと小さく声をあげ、そこはむくりと立ち上がっていた。久保田にとってはそれだけで十分な刺激だった。
「時任・・」
整わぬ息のまま頬を染める恋人をベッドに押し倒しながら、久保田の濡れた指が後の蕾にヌプリと入っていく。
「っくっ、くぼちゃんっ・・やめっ・・」
久保田の長い中指が難なく奥まで入ってしまい、時任の背中が強張る。あり得ない所に人の、しかも久保田の指が入っているのだ。
涙目になってその手をどかせようとするが中で指を曲げられ、逆に押さえつけるように喘いでしまう。
久保田はクスリと微笑むとキツイその中にグッと2本目をねじ込んだ。
「ひあっっ!!」
ぎゅっと目をつぶった時任の腕にはもう力が入っていなかった。久保田の舌が胸を吸い、長い指が中をかき回すたびに大きく声を上げ、自身もグンと張りつめた。
「時任・・可愛い。好きだよ。」
「あっはぁっ・・ぅんんっ・・」
ぐちゃぐちゃと卑猥な音が寝室に響くころ、時任の声は艶めいた喘ぎ声に変わっていた。その声に煽られたように久保田から吐息が漏れる。
突然すっと指を引き抜かれ、敏感になった時任はその刺激にもたまらず髪を振り乱す。
赤く紅潮した頬に飲み込みきれない唾液が伝い、時任自身から溢れた透明な液がぬらぬらと光っている。
「も・・たまんない、・・いれるね?」
いつの間にか服を脱ぎ取っていた久保田の中心は、恋人の痴態に煽られギンギンに固く張りつめ天を向いていた。
久保田の瞳の獰猛な光と、その張りつめた下半身を目にした瞬間、時任の鼓動が跳ねた。
「っ!・・くぼちゃ・・」
「好きだよ、時任」
久保田はもう一度そう言うと時任の膝裏を大きく持ち上げ、口を封じるかのようにその唇に舌を這わせ歯列を割った。
濃厚に舌を深く絡めながら、久保田の猛りがズブリと入っていく。
「んんん―っっ!!!」
大きな先端の侵入に時任は声にならない苦痛の悲鳴を上げるが、なんとかカサを飲み込むと、ほぐれ濡れそぼっていたソコは全てをおさめてしまった。
「・・入ったよ」
「んっ・・はぁっ・・」
限界まで広げられた蕾がギチギチに久保田を飲み込み、まるでそこが心臓になったかのようにドクドクと鼓動が響く。
必死に久保田の背中にしがみつき耐えていた時任だったが、浅く出入れを始めたころには快感に背中を震わせ爪を立てていた。
逞しい猛りが前立腺をこすり上げ、その刺激がさらに時任の雄を固く張りつめさせ、高い嬌声が上がる。次第にスムーズになる挿入に久保田は思いきり引き抜くと、ズブリと一気に奥まで腰を打ちつける。静かな寝室にぐちゃぐちゃと濡れた音が響き渡った。
「と・・きとうっ・・キモチ、イイ?」
「ああっ!・・・あっ!・・んっ!・・んあっ!」
時任は声にならない悲鳴を上げガクガクと震え快感に耐えていた。先走りの液で濡れた時任自身を手でゆるく扱きながら深く腰を動かすと、時任は限界に近づき思わず声を上げた。
「くっくぼちゃっ・・も、イ・・クッ・・」
「・・・うんっ・・」
久保田も限界だった。腰をさらに高く持ちあげ、パンパンと腰を打ちつけるほど深く突きたてると、時任は固く震え二人の間に白い熱を吐き出した。
「んっっ・・・あっ-----っっ・・!!」
「っく・・!」
絶頂を迎えた蕾が大きく収縮しその締め付けに久保田もこらえ切れず熱い液を思いきり吐き出していた。
体内で感じる温かい波に時任はびくびくと震えながら、そのまま意識を飛ばした。
目を覚ますと心地よい久保田の重みがあった。あれからすぐ寝てしまったらしい時任はきちんと服を着ていて不快感もなく清められているようだった。久保田が覆いかぶさるように、時任を抱きしめたままスースーと寝息を立てている。
あれは夢だったのかと思うが、見じろぎするだけでズンと感じる下半身の鈍い重みに、ああ現実だったんだと思う。
男同志のセックスというものを知った時任は昨夜のことを思い出しそのあまりの恥ずかしい行為に顔を火照らせていた。
ほぼ無理やりの行為だったというのに不思議と怒りを感じてはいなかった。久保田があれほどまでに自分を欲していたということに、充足感さえあったのだ。けれど好きにやられといてそれでは立つ瀬がない。久保田が目を覚ませば盛大に文句を言ってやろうと心に誓った時任だった。
「・・次は俺が久保ちゃんを襲ってやる・・・」
そんな呟きをこっそり聞いていた久保田が、実はどうやって目を覚まそうか考えていたという事を知って、時任が盛大に毒ずいたのは言うまでもない。
久保ちゃんが夜這い・・(汗)すみません;;でもラブ(*^_^*)
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