[PR] この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。
はじまりの合図【番外編】―――時任Side
もう、終始何がなんだか分からない。
久保ちゃんのマンションに住むようになって、学校に行くときとか日常的にキスとかされてたけど、今日はいつもより数倍激しい衝撃だった。
心なしか久保ちゃんの目が血走ってて怖ぇし、無理矢理組み敷いてくるから頭に来て、つい腹くくったなんて言っちまった。
俺はこの一週間、ずっと考えてた。
ゲームしてても、一人でソファに横になってても、久保ちゃんのことばっか考えてた。
一
緒に暮らすとき、久保ちゃんは「同棲だからキス以上のコトも込みでよろしくね?」なんて冗談っぽく言っていたけれど、俺たちはただの友達じゃないんだか
ら、やっぱりそういうこともあるのかもって真剣に考えて。それでも俺も久保ちゃんの日常に入ってみたいって望んだから、こうして一緒に住むことになって。
怖いってのもある。久保ちゃんのキスを思い浮かべて自慰をしたことはあるけど、誰かとそんなことをするなんて俺には考えられなかったから。
でも俺が受け入れなきゃ久保ちゃんはコレ以上俺のモノにはならない。
久保ちゃんとそういうことしたいかと聞かれるとよく分からないけれど、もっと近づける手段があるなら俺は飛びつきたかったんだ。
そんで分かったこともある。
ずっと久保ちゃんのモノが俺に当たってて、それがありえねぇぐらい膨らんでるのは、俺のせいなんだってこととか。
無意識に避けてきたことで、こんなにも久保ちゃんを追いつめてしまっていたこととか。
だから本気だっていう久保ちゃんの熱っぽい目見ちまってから、唐突に覚悟を決めたんだ。
いきなりくわえられるし、イキそうになったら意地悪されるし、その上あ、あんなところまで・・。
ぬるぬるの液体をすり付けられて、体の中を久保ちゃんの舌やら指が行き来する。しかも明るい室内で、後ろをすべて見られながらなんて、どんな罰ゲームだ。
初めて体内に人の指を感じて、正直気持ちが悪かったけれど、何度も何度も俺の反応を確認するように中をイジられて、だんだんと変な気分になってしまう。
その証拠に捕まれた俺の性器は萎えることなくシーツに先走りを垂れ流していた。
一体何がどうなっているのか確認したくて、少し待ってほしいと思っているのに、どんどん上がる体温にいつしかこの熱を解放することばかり求めている自分がいた。
イキたい。イキたいのにイケない。痛いくらいせき止められて、なのに後ろばかりしつこく愛撫してくる意地悪な指が恨めしい。中で指を広げながら性器の裏側を擦られて、睾丸がパンパンに腫れ上がっていく。
せき止められ、後ろを指で突かれているだけだというのに、信じられないことにイキそうになっていた。
初めてのことに怖くなってイヤだと何度もかぶりを振る。
「・・もう、あんま煽んないでくれる?」
「え、な、なに言っ、―――あ・・っ?」
訳の分からない熱の上昇にホッとするやら残念なような、肩で息をして足を震わせていると、今度はまたぐるりと簡単に仰向けにされる。
蛍光灯の明かりが眩しくて目を細めているうちに足を腰ごと持ち上げられて、慌てて久保ちゃんの骨ばった腕を掴んだ。
文句を言おうとしたところで尻に堅いものが押し当てられて、ぎょっと目を見開いた。
久保ちゃんのだ。
初めて見る人のソレ。堅そうにそそり立つそれはずっしりとしていて、まさしく大人の男のモノ。
このままだとなんだかとんでもないことになりそうで、俺は慌てて首を振った。
「・・ゆっくりするから・・」
「あ・・っ!」
つまり、男同士も、女とするときのようにそうするのが、セックスというやつで。俺と久保ちゃんも、最終的にそこまでするってことで。
――えっ、てでもその場合どっちが女役をするんだと疑問が沸いた瞬間に―――だから俺がそっちの役なのかと愕然としたり。
そうこうしているうちに、ぐぐっと熱の塊が押し進んでくる。
「ごめん、・・痛いよね」
ものすごい質量が食い込んできて、そこは裂けるような痛みに悲鳴をあげている。でも多分、まだ先端だ。
「・・っ!」
いつも崩れないポーカーフェイスが、わずかに眉を寄せて、心なしか顔も血の気を増している。
俺の中で、感じてそんで、痛いのとか気持ちイイのとか、きっとごちゃ混ぜになってる。
久保ちゃんがもっと気持ちよくなれるなら、俺はもう少しぐらいなら我慢してやってもいいかもしれない。
どこか無邪気にも思えるその笑顔に弱いんだって、と顔を熱くしながら、降ってきたキスを受け入れる。
体温のあがった舌にねっとりと吸われると気持ちよくて、痛みが少しやわらいだ気がした。
中の内側。性器の裏側あたりに擦られると下腹部が熱くなる場所がある。多分さっき指で弄られてイキそうになったところだ。
それを確かめるように意識を集中させていたせいかもしれない。体の余分な力が抜けて、その瞬間を見計らったように腰を進められたときには、一息に奥まで貫かれた。
こんな感覚は知らない。
こんなの知らなかった。そりゃそうだ。普通なら到底感じることのなかった感覚。そしてこうなることを望んだのは、きっと久保ちゃんだけじゃなかった。
あまりのことにもう俺の頭は何も考えられない。
頭の中も体の中も、俺の中には今、間違いなく久保ちゃんだけがいる。
「あ、うっ・・っ」
久保ちゃんの腰が尻にあたった感覚で、本当にあんなデカイものが全部入ってしまったのだと改めて思い知らされた。
「う、っ・・」
「・・平気?」
「・っ、へ、平気だっつーのっ・・、ぅあ・・っ!」
とんでもない未知の扉を開いた予感がして、恐怖と期待に動悸が激しくなる。
「っ、あ・・っ」
ゆっくりと繰り返されるそれは徐々に間隔を減らし、がくがくと揺さぶられた。
覚え立ての感じる場所を確認するように何度も久保ちゃんのモノが行き来して、ごりごりと擦っては奥まで埋められていくから堪らない。
ごめんとかさんざん謝っといて、久保ちゃんは容赦がない。
擦れる場所が熱くて苦しくて、そして信じられないほどに気持ちがよくなっている。
「ば・・っ、言うな・・っ、ひゃ・・っ」
脚を抱え上げられて深く繋がる形で、両手は必死にシーツの上をもがいていた。
視界には逞しい久保ちゃんの胸板と腹筋。その前に反り返った自分のモノが滴を垂らして切なげに揺れている。
それに気づいてくれたのか、久保ちゃんの大きな掌が自身に絡みついてきて、刺激を待ちわびていたソレは一気に熱を上げた。
「っ・・」
相方だけじゃ、一緒にいるだけじゃ到底知ることもなかった。久保ちゃんの新たな表情。
それってこんなに最高なことなんだ。
「っ、し、知らな・・っ、あ・・っ」
「く、ぼちゃんっ、久保ちゃん・・っ、あ・・っ、あ・・っ」
堪えることなんか出来なくて、怖くなるほどの気持ちよさに目の前は真っ白になる。
瞬間意識が遠のいていて、それでも止まらない久保ちゃんの動きにつられて、射精感がいつまでも収まらない。
その手も自分の腹も、受け止めきれなかった体液がいたるところに飛び散っていた。
なんつー、いやらしい光景だ。
これまでに見たこともないような久保ちゃんが、熱に浮かされたような視線で俺を見つめてくる。
前はもうイキっぱなしで、際限のない快感に頭がおかしくなりそうだ。
「うわ、スゴ・・っ」
繋がっている場所がどちらのせいか分からないけれどびくびくと震えている。敏感になった体はそれにすら感じて、俺は何度もその余韻に打ち震えていた。
どさりと久保ちゃんの重みが重なってきて、う、と息が詰まる。
ぴったりと合わさった二つの心臓がどくどくと響いていた。
「んー・・」
汗ばんだ肌はまだ敏感で、耳元でダイレクトに響く熱い吐息にぞくりとする。
「・・ん、もうちょっと、このまま・・」
やっぱこいつ犬みてぇだなぁと俺もようやく落ち着いてきた頭でそんなことを考えていたら、久保ちゃんがゆっくりと体を起こした。
久保ちゃんの口端がいやらしく引き上げられて、かーっと顔に熱が集まった。
「ばっ・・!ち、違うっ、今のはお前がいきなり、ぬ、抜くからっ」
「へえ、まだ抜いて欲しくなかったんだ?」
「うん、それはごめんね。俺も余裕なかったし。・・でも気持ちよかったっしょ?」
「うっ・・、そ、そりゃあ、まぁ」
「ば・・っ、バカ・・!恥ずかしいことサラッと言ってんなっ」
怒ったようにわざとそっぽ向くと、久保ちゃんが「ごめんごめん」と隣に寝そべって抱きついてきた。
やたらとべたべたしてくる久保ちゃんとの距離が、いつもより一気に狭まった気がして、それがなんだか嬉しくてそして酷く恥ずかしい。
汗や自分の出したモノでベトベトな状態では寝たくはなかったから、どちらにしてもさっぱりしたかったのだ。
脚の間をどろりと、温かな液体が伝い落ちてきたのだ。何か漏らしでもしたのかと一瞬青くなったけれど、それが何なのか思い当たって、かーっと顔に血が上る。
「~~っっ!」
あの時は頭が真っ白でそこまで気が回らなかった俺もバカだけどっ、信じられねぇ・・っ!
「っ、・・だっ、誰のせいだと思ってっ」
「漏れないように、ずっと俺ので塞いでてあげようね?」
「な・・っ?」
その上ぬるりと濡れた場所に指を差し込まれて、俺は色気もなにもない悲鳴をあげた。
「大丈夫、二回目は俺も長いし?ほら、今ならお前のココもほぐれてるから、すぐ気持ちよくなれるよ」
「ひっ!やっやめっ・・へっ、変態―――っ!」
「変態って、お前ね・・」
これからずっと俺は(俺の体は)耐えられるのだろうかと、不安になった。
けれど。
「だから、ちょうだい?」
「あ・・・っ」
それでもまぁいいかなんて、楽観視している俺も相当だとは思うけれど。
戻る