1.いつだって見てた

 


 

あのころは、いつも一緒にいて、何もかもが楽しくてしょうがなかった。

 

たぶん、あいつがいつも俺の隣にいたから。

 

あいつの傍で、同じ時を生きながら、俺は

 

あいつを、−−−いつだって見てた。

 

 

執行部に入ったのも、ペアを組むようになったのも、あいつ、久保ちゃんがいたからだった。

 

きっかけは、なんだったっけ?

 

そうだ、確か俺が「ヒマだ」って言ったんだ。

 

そしたら「じゃ、やる?」って久保ちゃんが腕章をよこした。

 

目を丸くする俺に、久保ちゃんはいたずらっぽく笑った。

 

当時3年の執行部員だった男が、次の部員に俺らを指名して、首を傾げる久保ちゃんに、腕章を無理

 

矢理預けていったらしい。

 

執行部の適当さは昔っからつーわけだな。

 

そんなこんなで、暇だった学生生活は一気に忙しくなった。

 

だって放課後だけじゃなくて昼休みまで仕事すんだぜ?

 

よくやったよな、俺も。

 

意外だったのは久保ちゃんだ。

 

喧嘩の強さは知ってたけどさ、なんつーか、いつもイキイキしてた。

 

まともに授業も受けないやつが、巡回の時は、楽しそうに大塚をやっつけたりしてさ。

 

そんな久保ちゃんを見るたびに、俺もうれしくて。

 

楽しくて。いつも笑っていられたんだよな。

 


 

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